月に繭 地には果実〈上〉 (幻冬舎文庫)

月に繭 地には果実〈上〉 (幻冬舎文庫)

やっと読み終わりました。非常に面白かった!福井作品の中では亡国のイージスと同じぐらい好きかも。
中盤までは多少の違いはあるもののアニメ版をなぞって話は進むんですが
福井版で特筆しとかなくてはいけないのが後半に爆発するトミノ的展開。
アニメ版の牧歌的な雰囲気が嘘のように血みどろの展開が繰り広げられます。
そして泥沼の戦場を引き金にして増幅する各々の愛憎!
アニメではどこかロマンティックに描かれてた各キャラの感情の入り乱れもより生々しく描かれてると思います。
評価が分かれるとこですがこの辺が福井版の真価でしょうねぇ。
やっぱり人物の掘り下げ方がうまいですよねぇ。
フィル少佐なんかアニメでは典型的な軍人キャラだなぁと言うぐらいの印象だったのですけど
その人物背景が語られることで逆に愛着が持てたし
特にキエルのディアナに抱く嫉妬というのもアニメ版と大きく違うとこだけども私は面白かった。
掘り下げという点で個人的にソシエはギャバンの話を絡めて欲しかったけども結末はアニメ版よりも良かったんで良しかな。
アニメ版では最後に投げ捨ててるメリーを福井版では逆に拾ってるとこはニヤっとました。
私はガンダム好きなんで∀に関してもある程度の前知識を持って読んだのですが
ガンダムに触れたことのない人が福井作品だからということで手にとって面白いのかなぁという心配は多少あります。
特にMSなんかは前知識ないとイマイチイメージが湧きにくいですよね。
でもアニメのノベライズだからということで敬遠せず是非読んでいただきたい。
アニメ版を知ってる人もあの人が出てこないとか、この人こんな人じゃないよとかありますけど是非読んで頂きたい。